研修医におすすめの教科書、腎臓内科編です。
まずは結論。
誰でも→極論で語る腎臓内科
透析について詳しくなりたい→〜至適透析を理解する〜 血液透析処方ロジック、レジデントのための血液透析患者マネジメント
腎臓内科志望→~所見を「読んで」「考える」~ 臨床医のための腎病理読解ロジック
腎臓内科の教科書
極論で語る腎臓内科
循環器でも紹介した「極論で語る」シリーズ。
急性腎障害を見た時に腎前性、腎性、腎後性に分けろ、というのは学生レベルでも学ぶことですが、肝心の腎性腎不全については「何をしたらいいのかよくわからない」という人が多いのではないでしょうか。
クレアチニンが上がった!脱水だ!という思考から抜け出したいなら読んでみましょう。
腎性腎不全は、急性尿細管壊死、間質性、糸球体性に分けられます。これらは病歴や尿沈渣所見で鑑別していくのですが、これがよくわからずとりあえず補液で終わってしまう人は上級医でも多いです。
腎臓内科が充実している病院であれば気軽にコンサルトをして診てもらうことができますが、小さな病院では腎臓内科が1人医長体制のこともあり、「いつ専門医にコンサルトすべきか」という判断は意外と難しいです。
腎臓内科は腎病理などの専門性の高い分野と、電解質や体液バランスを考えるうえでもどの科にいっても役立つ分野があり、後者についてざっくり学ぶには最高の教科書だと思います。
どの科に進む研修医にもおすすめできる教科書です。改訂で追加された尿路結石が地味にイイです。
オススメ度:★★★★★
タイプ:読み物
レベル:全ての研修医
〜至適透析を理解する〜 血液透析処方ロジック
透析患者を受け持つようになった時にサラッと読んでおきたい教科書。透析の原理、なぜ4時間×週3回なのか、Dry Wightの管理方法、透析時のトラブル対応の基本、といった最低限知っておきたい知識を学べます。まさに「至適透析とはなにか」を学べます。腎臓内科医、泌尿器科医でなくても一般内科医や循環器内科医、透析室で働くコメディカルも読んでおきたい一冊です。
オススメ度:★★★★☆
タイプ:読み物
レベル:初学者、コメディカル向け
レジデントのための血液透析患者マネジメント
透析患者の管理についてもっとしっかり勉強したいならこれ。一冊で比較的広くカバーできていると思います。
オススメ度:★★★☆☆
タイプ:読み物
レベル:中級〜上級者
透析患者を主治医で受け持つレベル 透析室CEさんにも
~所見を「読んで」「考える」~ 臨床医のための腎病理読解ロジック
腎臓内科志望なら、腎性腎不全のさらなる詳細な知識が必要です。常について回るのが腎病理で、これはおすすめです。私自身はオーバーワークと判断して途中で読むのをやめてしまいましたが。
オススメ度:★★☆☆☆
タイプ:読みもの
レベル:腎臓内科志望
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