まずは結論。
1冊だけなら;心電図ハンター 心電図×非循環器医 1胸痛/虚血編
深く勉強するなら;心電図のみかた、考え方―基礎編→心電図のみかた、考えかた 応用編→心電図の読み方パーフェクトマニュアル
心電図を最低限読めるようになることは研修医で身に着けるべき最も重要な事項の一つです。
私はもともと循環器内科志望だったのである程度心電図については詳しく勉強しているので、今回は循環器内科専攻医レベルを目指す場合を想定しておすすめできる順番に紹介します。
心電図のおすすめ教科書
心電図のみかた、考え方
心電図のみかた、考え方―基礎編
心電図のみかた、考えかた 応用編
個人的なおすすめNo.1の会話形式の読み物系教科書。基本編、応用編に分かれていますが、2冊とも読んだ方がいいです。
まずコンセプトとして「心電図はあくまで一つの臨床ツールに過ぎない」ということを強調しており、「ここは心電図では判断できない」、「ここは適当でOK」と割り切っているのが非常に分かりやすいです。また会話形式で読みやすいのも良いポイントです。
ここが正常でここが異常、この所見があればこの疾患を考える
という流れがクリアカットで読みやすいです。
不整脈の鑑別法、という感じではなく、スクリーニングや救急での心電図判読に強い印象なので、どの科に進むとしてもオススメです。
オススメ度:★★★★★
レベル:全ての科の医師
タイプ:読みもの
心電図の読み方パーフェクトマニュアル
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心電図の教科書では最も有名でしょうか。ある程度心電図を読む自信がついてきた頃によく分からない心電図に出くわした時、この教科書で調べるとだいたい載っているので驚きます。不整脈科医志望でなければこの教科書以上の知識は必要ないかと思います。
心電図界最強の教科書だと思ってます。
オススメ度:★★★★☆
レベル:内科志望〜循環器内科志望
タイプ:辞書
心電図ハンター ①胸痛/虚血編
別記事で激推ししている骨折ハンター;骨折ハンター レントゲン×非整形外科医の類書で、「非循環器医向け」と割り切っているのが非常に分かりやすいところです。
症状→心電図の→対応という流れでの解説なので、実臨床に即しているのが良いところです。逆に言えば無症状の所見(左室肥大、右房負荷など)についてはあまり触れられていないので、その辺まで理解したい人には物足りないかもしれません。
オススメ度:★★★★☆
レベル:研修医〜非循環器内科医、救急医
タイプ:読み物
心電図ハンター ②失神・動悸/不整脈編
上記の胸痛編と比較すると、研修医が接する場面は少ないですが失神、動悸の鑑別も重要です。読みやすさ、臨床に直結しやすさはそのまま。オススメです。
オススメ度:★★★★☆
レベル:研修医〜非循環器内科医、救急医
タイプ:読み物
3秒で心電図を読む本
タイトルで少し怪訝な顔になりますが、内容としてはすごく良いです。実際に3秒で読むかどうかはさておき、スクリーニングとしてどういう見方をするか、ということが学べることで、最低限の心電図の知識が身に付きます。
カルテに「心電図:明らかなST変化なし」とばかり書いている人は一度読んでみることをおすすめします。結構劇的に変わると思います。
オススメ度:★★★☆☆
レベル:研修医
タイプ:読み物
レジデントのためのこれだけ心電図
読みやすく初学者には良いですが、研修医レベルでも「これだけ」では困ります。研修医の1冊目、優秀な学生、コメディカル向けだと思います。
オススメ度:★★★★☆
レベル:学生〜研修医1年目
タイプ:読み物
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