まず結論。
何科でも;感染症プラチナマニュアル Ver.7 2021-2022or日本語版 サンフォード感染症治療ガイド 2022(第52版)
内科に進むのでしっかり勉強したい;抗菌薬の考え方,使い方 ver.5 コロナの時代の差異
さらにその先へ;レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版
感染症プラチナマニュアル
感染症の教科書おすすめNo.1。ポケットに入る薄さ、値段、網羅性、根拠となる文献の豊富さ、どれも良いです。とりあえず買っておけば間違いなし。
内容は抗菌薬、病原体、臓器ごとに分かれいて読みやすいです。
例えば「市中肺炎をCTRXで加療開始。培養で肺炎球菌性と判明しAMPCにde-escalation」というよくある場面では、
抗菌薬→CTRX、ABPCの項
病原体→肺炎球菌
臓器→呼吸器、肺
というように確認すれば、正直素人でも最低限の治療ができてしまいます。ICTの薬剤師、臨床検査技師といった感染症に携わるコメディカルにもおすすめ。
オススメ度:★★★★★
レベル:研修医〜内科一般
タイプ:マニュアル
サンフォード感染症治療ガイド
日本語版 サンフォード感染症治療ガイド 2022(第52版)
プラチナマニュアルの対抗に上がるのがサンフォード。分かりやすさではプラチナマニュアルに劣りますが、エビデンスの豊富さや内容の深さでは勝ります。腎機能ごとの抗菌薬投与量の表は一生使うので便利。アメリカ使用なのでセフメタゾールの記載がなかったり、用量が多めだったりといった違いはありますがその他はほぼ同じ。私は両方持ってますがプラチナとどちらでも良いと思います。
オススメ度:★★★★★
レベル:研修医〜内科一般
タイプ:マニュアル
レジデントのための感染症診療マニュアル
レジデントのための○○シリーズだと思って読むと痛い目にあいます。普通に最高レベルの辞書的な詳しさの教科書です。感染症診療に携わるなら辞書的に使いたい1冊で、比較的まれな病原体、病原体ごとの考え方について、根拠となる文献を示しながら記載されています。内科以外にはオーバーワーク。
オススメ度:★★★☆☆
レベル:内科専攻医〜内科医
タイプ:辞書
抗菌薬の使い方、考え方
感染症診療界では有名な「あの」岩田先生の著書。レベルとしては初学者向けの内容〜内科専攻医向けの詳しいところまで。抗菌薬の選択を論理的に考えられます。「使い方、考え方」ではなく「考え方、使い方」としているところに意志を感じます。
ただし独特の岩田先生の語り口が良くも悪くもクセがありますが、感染症診療の論理的思考を身に着ける上ではこれ以上のものはないかと思います。
オススメ度:★★★☆☆
レベル:研修医〜専攻医
タイプ:読みもの
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩―一目でわかる重要ポイントと演習問題で使い方の基本をマスター
まさにはじめの一歩という感じでかなり基礎的な内容。初学者には良いですが、初めからプラチナマニュアルや抗菌薬の使い方、考え方でよいと思います。2年目になって初めて読んだので「このレベルならそりゃあ絶対わかるよ…」となってしまいました。国試終了後の学生、コメディカルにおすすめ。
オススメ度:★★☆☆☆
レベル:学生〜研修医1年目前半
タイプ:読み物
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